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技能実習生の帰国費用は誰が負担する?ケース別に解説

この記事でわかること

本記事は2026年6月19日時点の外国人技能実習機構(OTIT)・厚生労働省等の公表情報をもとに作成しています。

帰国費用の扱いは、技能実習の区分、監理形態、契約、個別事情によって変わる場合があります。

実務判断では、最新の運用要領・監理団体・専門家への確認をおすすめします。

結論:団体監理型では、帰国旅費は原則として監理団体が負担する

技能実習生の帰国費用について、介護施設からよく聞かれるのは「本人都合で帰る場合も施設が払うのか」「監理費に含まれているのか」という点です。

団体監理型技能実習では、OTITの運用要領上、監理団体が技能実習生の帰国旅費を負担し、技能実習終了後の帰国が円滑に行われるよう必要な措置を講じることが求められています。

ここでいう帰国旅費には、帰国に必要な旅費が含まれます。

OTITの資料では、技能実習生が出発する空港までの移動費も帰国旅費に含まれるとされています。

ただし、施設側が何も確認しなくてよいわけではありません。

監理団体が帰国旅費を負担する場合でも、その原資は監理費・その他諸経費として実習実施者から徴収される費用に含まれることがあります。

つまり、介護施設としては「誰が払うか」だけでなく、「どの費用項目に含まれているか」を確認する必要があります。

まず分けるべき3つの費用

帰国に関する費用は、ひとまとめにせず、次の3つに分けて確認すると整理しやすくなります。

区分

内容

確認ポイント

帰国旅費

航空券、出発空港までの移動費など

監理団体の負担範囲に含まれるか

帰国までの支援費

帰国手続き、生活面の支援、空港までの案内など

誰が手配し、どこまで同行・説明するか

清算費用

住居、給与、社会保険、未払い・立替金など

施設・本人・監理団体で清算手順が決まっているか

 

現場でトラブルになりやすいのは、航空券そのものよりも、帰国までの生活支援や清算の部分です。

住居退去、給与締め、私物整理、空港までの移動、本人への説明が曖昧だと、施設側の負担が急に増えることがあります。

ケース1:技能実習を満了して帰国する場合

もっとも基本的なのは、技能実習を予定どおり満了して帰国するケースです。

この場合、団体監理型では監理団体が帰国旅費を負担し、帰国が円滑に行われるよう必要な措置を講じることが原則です。

介護施設側で確認すべきことは、次のとおりです。

特に介護職種では、実習修了後に特定技能「介護」へ移行し、日本で就労を続ける選択肢があります。

帰国前提で進めるのか、特定技能への移行を検討するのかは、本人の意向確認と施設側の採用方針を早めにすり合わせる必要があります。

ケース2:第3号技能実習へ移行する前の一時帰国

第2号技能実習から第3号技能実習へ移行する場合、一時帰国が関係することがあります。

一時帰国に関する旅費についても、制度上は監理団体が負担する必要があるとされています。

監理団体が変わる場合は、どの監理団体が負担するのかを事前に確認する必要があります。

介護施設側では、次の点を確認してください。

確認項目

内容

一時帰国の時期

いつ帰国し、いつ再入国する予定か

旅費負担

現監理団体か、新監理団体か

在留資格手続き

再入国・在留期間・申請の流れ

施設のシフト

一時帰国期間中の人員配置

本人の意向

第3号継続か、特定技能移行か、帰国か

 

一時帰国は、本人にとって大切な機会である一方、施設側の人員計画にも影響します。

早めに計画を立てることが重要です。

ケース3:自己都合退職・途中帰国の場合

施設側がもっとも不安に感じるのが、自己都合退職や途中帰国のケースです。

OTITの資料では、監理団体が負担すべき帰国旅費について、帰国事由を限定していない旨が示されています。

つまり、自己都合による帰国であっても、団体監理型では監理団体の帰国旅費負担が問題になります。

ただし、実務では次のような確認が必要です。

ここで重要なのは、帰国費用だけに目を向けないことです。

本人が帰国を希望する背景には、日本語の不安、職場の人間関係、生活上の孤立、家族事情などが含まれる場合があります。

介護施設としては、監理団体に早めに相談し、本人面談、通訳、生活支援、配置転換の可能性を確認したうえで、帰国手続きを進めることが望ましいです。

ケース4:監理団体の許可取消・更新不可・変更がある場合

監理団体側の事情で、監理団体の許可が取り消されたり、許可の有効期間更新を受けられなかったりする場合があります。

OTITの資料では、このような場合でも、元の監理団体が帰国旅費負担や帰国担保措置の義務を引き続き負う旨が示されています。

また、後継の監理団体と協議し、後継監理団体が帰国費用の負担や帰国までの措置を行うことも差し支えないとされています。

施設側にとって重要なのは、監理団体変更時に「誰が責任を持つのか」を曖昧にしないことです。

確認すべき項目は次のとおりです。

監理団体の変更は、施設単独では判断しにくい手続きです。

早めに関係機関と確認し、本人に不利益が出ないように進める必要があります。

ケース5:特定技能へ移行する場合は「帰国」ではなく移行手続きになる

技能実習3年を終えた後、本人と施設が希望し、要件を満たす場合は、特定技能「介護」へ移行する選択肢があります。

この場合は、単純な帰国費用の問題ではなく、在留資格変更、雇用契約、登録支援、支援計画、生活支援の引き継ぎが論点になります。

施設側では、技能実習修了の半年前を目安に、次の項目を確認しておくと安全です。

FUJI Human Care Service 協同組合では、技能実習生の受け入れ支援に加え、技能実習後の特定技能移行についても、株式会社FUJI CAREとの機能連携により相談しやすい体制を整えています。

法人関係を前面に出すのではなく、施設側にとって「支援情報が途切れにくい」ことが実務上のメリットです。

介護施設が見積もり時に確認すべき費用項目

帰国費用で揉めないためには、受け入れ前の見積もり・契約時点で、次の項目を確認しておくことが重要です。

項目

確認すること

帰国旅費

航空券・空港までの移動費がどこまで含まれるか

一時帰国費用

第3号移行前の一時帰国がある場合の負担者

帰国までの支援

空港案内、住居退去、生活面の支援を誰が担うか

途中帰国

自己都合・家庭事情・体調不良時の手続き

監理団体変更

後継監理団体との役割分担

精算方法

監理費・立替金・給与・住居費の清算方法

 

「帰国費用は監理団体負担です」と言われても、実務上はどの費用が含まれるかを具体的に聞くべきです。

航空券だけでなく、空港までの移動、本人への説明、帰国までの生活支援、清算方法まで確認してください。

よくある誤解

誤解1:自己都合なら本人が帰国費用を払う

団体監理型では、監理団体が負担すべき帰国旅費について、帰国事由を限定しない旨が示されています。

自己都合だから本人負担と単純に判断するのは危険です。

誤解2:施設は帰国費用に関係ない

監理団体が帰国旅費を負担する場合でも、監理費やその他諸経費として施設側の費用に含まれることがあります。

また、給与・住居・シフト・本人説明など、施設側の実務は残ります。

誤解3:帰国日の航空券だけ手配すればよい

帰国までには、住居退去、給与清算、私物整理、空港までの移動、本人への説明、在留資格上の確認が必要です。

航空券だけでは帰国支援は完了しません。

誤解4:帰国か特定技能移行かは直前に決めればよい

直前では遅いです。

本人の意向確認、施設側の採用方針、手続き、登録支援機関の選定を考えると、技能実習修了の半年前から確認することをおすすめします。

FUJI Human Care Service 協同組合に相談できること

FUJI Human Care Service協同組合は、千葉県松戸市を拠点に、介護・医療職種に注力した監理団体として、技能実習生の受け入れを支援しています。

帰国費用や帰国手続きに関しては、次のような相談が可能です。

帰国費用は、単なる金額の問題ではありません。

本人の権利保護、施設側の人員計画、監理団体の責任範囲、特定技能への移行可能性まで含めて整理する必要があります。

技能実習生の帰国費用や修了後の進路で不安がある介護施設様は、早めにご相談ください。

[技能実習生の帰国費用と修了後の進路を相談する]

まとめ:帰国費用は「誰が払うか」より「どこまで支援するか」を確認する

団体監理型の技能実習では、帰国旅費は原則として監理団体が負担し、帰国が円滑に行われるよう必要な措置を講じることが求められます。

ただし、介護施設側も、帰国旅費の範囲、空港までの移動、住居退去、給与清算、本人説明、途中帰国時の対応、特定技能への移行可能性を確認しておく必要があります。

帰国費用は、受け入れ後に初めて考えるものではありません。

受け入れ前の見積もり・契約時点で確認し、満了の半年前から進路確認を始めることが、トラブルを防ぐ最も現実的な方法です。

参考情報